2016年5月11日水曜日

七輪のある暮らし

市井の建築家が、七輪とダッチオーブンでアップルパイを焼きだして7年になります。電気オーブンもガスオーブンも使わずにアップルパイを焼く
にはどうすれば良いのか?。この素朴な疑問から生まれたのが、七輪というコンロとダッチオーブンの組合せです。熱源は木炭です。

電気も、ガスも使わずに、暮らしていた時代を再考してみると、自然との循環もそれなりに上手くいっていた。

暮らしのこと、エネルギーのこと、資源のこと、などを考えると、やはりこの国の資源を活かすことから見直す必要があります。

この国には、資源がないと云われてきました。資源がないので輸入するしかない。この国には、多様性にとんだ豊かな自然があり、この自然を活かして、工夫して、暮らして来ました。
暮らしていくためのエネルギーは、十分だったはずです。この国の自然を活かした循環型の暮らしが成り立っていたのです。

この国の資源を考えたとき竹があります。竹は繁殖力が強く放置すると瞬く間に野山を侵食してしまいます。

かつては、日常的に必要なものは、ほとんど竹でつくられてきました。竹は傷むから壊れやすいからといって、プラスチック製品に置き換わり、修理もできず、不用になったらゴミとして捨てられ、処分に膨大な税金とエネルギーを使っています。
竹の製品は修理も出来るし、処分するのに多くのエネルギーは必要としないし、放置しても、自然に返ります。
モノを修理して使う文化がありました。無駄なゴミが出ない社会の仕組みがありました。

この竹を炭に変えてエネルギー源にすれば、循環型の持続可能な社会の一端を担うことが出来るのではないでしょうか。荒れた竹藪から、美しい竹林のある国になることでしょう。

このハイテク優先の社会に、ローテクの知恵と技を見直し、この片寄った社会の仕組みの歪みを繕う時なのです。

「七輪のある暮らし」は、そんな片寄った「暮らしの歪みを繕う」きっかけになればと思います。

七輪とダッチオーブンでアップルパイを焼いて食べながら、再考してみては如何でしょうか?。

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