2018年1月31日水曜日

古民家再生物語・この20年の歩み

古民家再生物語・「楽庵」この20年の歩み

淡路神戸大震災(1995年1月17日早朝)で、この国の伝統的な古民家の危機に直面し、古民家を見直し再生することにする。この国の気候風土によって培われてきた伝統的な構法は、災害時の報道されているほど、決して脆いものではなく、安全でこの国の気候風土で暮らすには適した構法であることを痛感する。
この国の気候風土で暮らすことを前提につくられた伝統的な構法でつくられた家を、他の国の気候風土でつくられた家を模して暮らす家に増改築することによって、危険なくらしを強いられている。
この国の伝統的な構法でつくられた古民家を見直し、四季のある、この国での暮らしを見直し、再生すること。

十人十色な古民家再生物語
ひとの暮らしは十人十色、古民家を再生して暮らすにも十人十色の物語が生まれます。この国の伝統的な古民家をどのように活かすか、再生物語も十人十色です。

古材を活かす
止む負えず解体処分される古民家を活かす。古民家は多くの職人さんの手によってつくられています。木挽きによる製材のあとのある大きな梁、棟梁の木組みの技、建具職人さんの細工もの、等々。
この古民家を解体処分することは、職人さんの技、工夫、も同時に処分していることになります。
そんな処分される古材を再利用し、この国の伝統的な職人さんの技を活かしたいものです。

伝統的なこの国の暮らし・古民家に学ぶ家づくり
この国の古民家はこの国の気候風土によって、この国で産出する素材でつくられています。身近な素材でつくられています。
傷んでも身近な素材で作られているので修理も手軽に出来ます。
また、処分するときも自然素材なので、環境に負荷をかけずに処分することが出来ます。
何より、私たちの身体は自然の中で暮らすように出来ています。この身体に優しい居住環境が確保出来ます。

古民家を手づくりで再生して暮らす
この国の気候風土によって培われてきた、この国の資産ともいえるこの伝統的な古民家を、この国の暮らしとして再び見直したい。再生したいという思いから、手づくりで古民家を再生して暮らす方法のお手伝いをすることにしています。
さらに、古民家を再生しながら、自分の暮らしのカタチに進化させてもらいたいと思います。
この国の気候風土で培われてきた伝統的な古民家が進化し続けることを願っています。


古民家再生物語
古民家再生物語・旧畦町宿の家「あぜのまち絵本美術館」(2015~)
古民家再生物語・菊鹿の家「アルモンデ」+「結熊自然農園」(2016~)
古民家再生物語・円台寺の家(2016~)
古民家再生物語・久留米天神の家「和ダイニング ひらかわ」(2016~)
古民家再生物語・玉東の家「あかりふぁーむ」(2017~)
貸家再生物語・久留米合川の貸家(2017~)
古民家再生物語・八女黒木の家(2017~)
古民家再生物語・水俣の家(2018~)



街は夢の集まりプロジェクト・この10年の歩み

街は夢の集まりプロジェクト・この10年の歩み

白金の賃貸木造アパート「向田荘」にて
2006年から始った「街は夢の集まりプロジェクト」。

元手が無くても、夢とヤル気と、仲間が居れば、夢はカタチになる。
夢はカタルことからカタチになる。
夢を語るのは楽しい、それを聞くのも楽しい。

このプロジェクトの当初は、
家を楽しむ、楽しい家「からくや(家楽屋)」として、
この白金の「向田荘」から始めることにしました。


街の茶の間的、夢を語る場「アップルパイ会議」
ひとは夢に向かって暮らしています。その夢は、様々な渉外で知らず知らずのうちに諦めていることが多々あります。
その夢をもう一度目覚めさせる、街の茶の間で、アップルパイをつくり、食べながらカタル場とし、それを「アップルパイ会議」としました。

夢をカタチにする
町屋、長屋、アパートの空き家、空き室を活かしての、DIYでの、家づくり、店づくりです。
現状のままで貸せて大家さんの負担を減らし、家賃を安く設定してもらって、借主が自らDIYで再生する、家づくり、店づくりです。
ローンを組まない、手持ちの資金のみでの店づくりを目指す。そのためには、自分でつくる、あるものでつくる、工夫し、知恵を出し合ってつくる。

にわか大工
そして、さらに、
再生の技を身に付けてもらって、アーチストを目指すひとの収入源になればと、家づくり、店づくりの作業を手伝ってもらう(二足の草鞋を履く)ことにしています。

ひとは暮らしに必要なモノは、自分でつくってきました。ひとにはモノをつくるDNAが備わっていて、眠っている場合が多い。きっかけさえあれば眠りからさめます。
ひとの営み、衣食住において、自ずからモノをつくり出してきました。そのDNAを家づくり、店づくりに活かしたいと思います。

ハーフセルフビルド
出来るところは自分たちで、出来ないところは職人さんで。
職人さんと一緒にすることによって、この国の伝統的な職人さんの技を学ぶことも出来ます。
職人さんの技に敬意を表して、手づくりのDIYの作業を「にわか大工」ということにしています。

熊本の震災(2017)以後
古民家を自ら再生して暮らしたい、店を自らつくりたいという方が増え、みんなでつくるのは夢があって楽しいのですが、今までのようなマンツーマンでの家づくり、店づくりの応援が出来なくなってきました。それでも、ひとりでも多くの夢をカタチにする方法として塾のような形「にわか大工塾」で、宿題をつくり、自分たちで出来るようにしてもらっています。

暮らしながらつくる
家づくり、店づくりは、本来、完成しないものだと思います。暮らしの変化に合わせて変化、進化するものです。
暮らしは十人十色、暮らし方もひと様々、そのひとの暮らしがカタチになる。夢をカタチにする、それを楽しむことが大切です。
自然の恵みのなかで培われてきた、先人の暮らしの知恵や工夫に学びながら、暮らしをつくり、楽しむことが大切です。

街は夢の集まりプロジェクト
仲間と夢をカタリ、相互扶助で夢をカタチにする。そんな街づくりが街を楽しくする。そんな街づくりを目指したいものです。


◇この10年の「街は夢の集まりプロジェクト」の仲間です。
   Works-2「街は夢の集まり」