2016年1月5日火曜日

古民家を再生すると観えるもの

今年も古民家の再生を通して色々と学びたいと思います。

古民家を再生すると、これからの暮らしが観えてきます。
◆片付をするとモノの寿命が観える。

古民家を再生するとき、最初にする作業は片付けです。そのとき処分するという作業があります。
要らないもの、残しておきたいもの、どうしたらいいのか判らないもの。が出てきます。
古いものほど、木や竹でつくられていて、この古いものほど活かしたくなる。一方、新しいものほど何でつくられているのか判らないし、残して活かそうと思わないものが多い。木や竹でつくられたものは、ただ単に懐古趣味的だけではなく、機能的に洗練されているものが多いのです。何年も、何代も受け継がれた技でつくられたものは、今日の暮らしでも使えるものなのです。
そして、こんにちの日用品の多くは、この昔からの自然素材からつくられたものの代用品なのです。代用品なので壊れると直して使う気持ちが生まれません。そして、捨てることになり、ゴミとして処分することになります。

◆掃除をするとモノの在り様が観える。

片付と同時にする作業に掃除があります。掃除をすると、どこが傷みやすく、どこに埃が溜まり易いのか、どこを修理すべきなのか、等々が観えてきます。

◆修理をするとつくる気持ちが観える。
家でもモノでも傷んだり壊れたりする。傷んだから新しいものに取り換えるのではなく、どうして傷んだのかをしり、それを理解した上で修理して使えば長持ちします。修理することによってものづくりの知恵が身に付き、次のものづくりの技に活かせます。
自然素材でつくったものは、修理の仕方さえ身につけておけば、自然素材は身近で手に入るのでいつでも修理できます。
何よりエも、つくった人の自然に対する、自然素材に対する、気持ちが伝わってきます。

◆古民家の再生でこの国の暮らしが観える。

この国の気候風土に培われ、自然の素材を活かした知恵と工夫でつくられた古民家。四季のある豊かな自然のなかで、自然の素材を活かした日用品や道具類。障子、襖、畳、格子、すだれ等のしつらえ、調度品。自然との一体の暮らし。この国で暮らす知恵や工夫を見直すことが必要な時にきている気がします。
今は過度の便利だから、快適だからによって多くの歪が起こっていて、この国の風土で培われてきた古民家に暮らすことによって、失われたものを、古民家を再生することで、見直すことが出来る気がします。



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◆野菜を育てると自然が観える。

野菜を育てると解かることがあります。それも自然農で育てると良くわかります。
種は種自身で芽や根を出してぐんぐん育つ。そこには人の手は要らない。必要なのは芽や根を出す環境があるか、無いかです。そんなことが学べます。

自然を知る。先人の暮らしの知恵や工夫もそんなところから生まれてきました。言い換えれば自然を知らないと生きていけないということです。
自然を知るには、ひとの命はあまりにも短過ぎて学び切れません。そのために先人の自然に対する考え、知恵、工夫を学び、自然を知ることになります。
その自然と一体になった自然農での野菜づくりが、自然を知り、自然の中での暮らしが観えてくる気がします。
自然からかけ離れた歪んだ社会での暮らしに気づき、自然の中で自然と一体の暮らしを見直したいものです。特に「食」について・・・・・・・。


◆今年も、この国の気候風土に根ざした、この国の自然素材を活かした、自然の恵みに感謝する、先人の知恵と工夫に学びながら、棚一枚から家づくり、店づくり、街づくり、を通して、暮らしを考えていく、市井の建築家でありたいと思います。
七輪とダッチオーブンで炭火焼アップルパイを焼きながら、多くのひとの夢のなかで・・・・・・・。(ムラ)

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